教員紹介
核医学物理学・保健物理学分野
担当科目
- (学部)核医学検査技術学、核医学診断機器学、放射線関係法規、放射線安全管理学実験、放射線科学実験、核医学検査技術学実習
- (大学院)核医学物理学・保健物理学特論、核医学物理学・保健物理学特論演習、ポジトロン科学特論
研究紹介
医療の現場では、病変部位の探知や性状診断をするため、放射線、光、磁気、超音波などのさまざまなモダリティを活用した生体内イメージング技術が用いられています。近年では、個々に発展してきたモダリティを複数併せて使用するための技術開発(マルチモダリティイメージング)が行われています。代表的な例として、体内の「形態情報」を捉えるのに優れているX線CT装置と、臓器や組織の「機能情報」を捉えるのに優れているSPECT装置やPET装置を複合したSPECT/CT装置やPET/CT装置が臨床現場で必要不可欠な存在になっています。研究室では、がんの診断や治療評価の精度を向上させるために必要不可欠な新たなマルチモダリティイメージングの研究開発に取り組んでいます。
担当科目
- (学部)放射線安全管理学、放射線生物学、放射線安全管理学実験、放射線科学実験、放射線関係法規Ⅱ、核医学ⅠⅡ、核医学検査技術学実習
- (大学院)核医学・保健物理学特論、核医学・保健物理学特論演習、放射線影響学科学特論
研究紹介
医療などで放射線を安全に利用するために、生物への放射線影響でがんを研究しています。放射線によるがんは、遺伝情報である DNA が傷をつくことで引き起こされます。これらのがんの特徴やリスクを調べるために、DNAを増幅させる PCR 、次世代シーケンサーによる遺伝情報の網羅的解析、病理解析などをしています。さらに、大規模データを解析するために数理モデルやバイオインフォマティクなどの手法を取り入れて、国内(量子技術研究開発機構など)及び国外(アメリカ、オーストラリア)の機関と協力して研究しています。
放射治療物理学分野
担当科目
- (学部)医療と情報、医用物理学Ⅰ・Ⅱ、放射線治療技術学Ⅰ・Ⅱ、放射線治療機器学、放射線科学実験、放射線治療技術学実習
- (大学院)放射線医学物理学特論、放射線治療物理学特論Ⅰ・Ⅱ、放射線治療物理学特論演習
研究紹介
放射線治療はITの進歩とともに日々進化している分野です。私たちは放射線治療をより精確に、より簡便に行うことを目標に研究しています。そこで、放射線治療に関係する新しい照射法の構築、線量検証のための人体等価物質の開発、Webカメラを用いた高精細な高エネルギー放射線の線量計測法の開発、体表面監視装置検証用の動体ファントムの開発など幅広い研究を行っています。特に新しいモノを創り出すこと、今まで見えなかったものを観察できるようにすることを研究の主題としています。
担当科目
- (学部)放射線安全管理学実験、放射線治療技術学Ⅰ・Ⅱ、放射線治療技術学実習、放射線治療機器学、基礎ゼミナール、実践基礎援助学(慢性期看護学概論)
- (大学院)放射線科学特講、放射線科学特論、放射線治療物理学特講、放射線治療物理学特講演習、放射線治療物理学特論演習、放射線治療物理学特論Ⅰ・Ⅱ
研究紹介
我々は放射線治療の均てん化のため、陽子線治療における水吸収線量の第三者評価システムを確立するための研究を行なっています。また、近年MR画像を用いた誘導即時適応放射線治療システムが開発され、従来よりも的確に腫瘍を治療することが可能となりました。現在MR装置を搭載されている粒子線治療システムの開発も着々と進められていますが、MR画像では線量分布計算に必要な情報を持っていないため、我々は、「MRIを用いた適応粒子線治療」の実現に向け、MR画像から粒子線の線量分布計算するために関する研究を行なっています。
担当科目
- (学部)安全管理学実験、放射線科学実験、放射線治療技術学実習、放射線医学概論
- (大学院)放射線科学特論
研究紹介
近年の放射線科学技術の進歩は目覚ましく、我が国の臨床現場では世界最先端の放射線診断・治療装置が次々に導入されています。高精度な装置を駆使して、患者様に対して速やかに安全かつ効果的な検査や治療を提供するための研究を進めています。同時に、既存の技術を超える新しい技術を開発し、診断の精度向上や放射線治療の成績向上・副作用の低減を目指しています。全国の放射線機器の使用状況や基本データの解析なども調査し、医療機関や他の大学、企業と協力して放射線科学技術の発展に貢献します。
医用放射線計測学分野
担当科目
- (学部)放射線計測学、放射線計測学演習、放射化学、医用原子核概論
- (大学院)医用放射線計測学特論、医用放射線計測学特論演習
研究紹介
古くから知られている鉱物や人工ダイヤモンドなどの蛍光特性(熱蛍光や光刺激蛍光など)を利用して“時代のニーズにマッチした次世代放射線検出器の開発” を進めています。放射線を利用した医療技術の進歩は診断能を高め、がん治療においては治療効果を飛躍的に向上させています。一方でこの技術に応じた放射線検出の開発も求められていますが、種々の物理反応が複雑に影響し困難を極めています。他大学や企業との共同研究を基盤に、加速器や原子炉をはじめとする最先端の研究施設を利用して、臨床現場での放射線計測技術に関する課題を解決します。
担当科目
- (学部)医用電気工学、医用電子工学、医用電気電子工学実験
- (大学院)医用放射線計測学特論、医用放射線計測学特論演習
研究紹介
放射線治療はがんの治療に利用され良好な成績を納めています。しかし、治療に伴い発生する障害を完全には排除できません。例えば、放射線により皮膚障害が発生することがあります。この障害は放射線に加え、病歴等の患者由来の因子も障害の発生に影響します。しかし、現在、障害の発生予測には放射線量しか利用されないため、予測精度が低い欠点があります。
我々は「AIを用いた放射線及び患者由来の因子を考慮した障害の発生予測」に着目し、放射線以外の因子も考慮した高精度な障害発生の予測モデルを開発しています。本研究により更に安全な放射線治療の実現を目指しています。
医用画像診断学分野
担当科目
- (学部)病態学、超音波技術学、医用画像診断学
- (大学院)画像診断学特論、画像診断学特論演習、画像診断学特講、画像診断学特講演習
研究紹介
Near-infrared spectroscopy (NIRS)を用いて脳活動の研究をしています。NIRSの基本原理は、oxyhemoglobinとdeoxy-hemoglobinの近赤外線の吸収係数が異なることを利用したスペクトロスコピーです。脳活動領域では、自動的に大量の脳動脈が供給され、oxyhemoglobin濃度が上昇します。NIRSの近赤外線emitterとreceiverを頭部体表に設置すれば脳活動領域の位置と程度がわかります。
画像診断システム学分野
担当科目
- (学部)X線撮影技術学Ⅰ、ペイシェントケア論演習、X線撮影技術学実習Ⅰ、X線撮影技術学実習Ⅱ、画像診断臨床実習など
- (大学院)画像診断システム学特論、画像診断システム学特論演習、画像診断システム学特講、画像診断システム学特講演習、脳機能画像解析科学特論など
研究紹介
生体内では数多くの細胞が活動しており、それぞれが化学物質や電気信号を使って情報をやり取りしています。また発達した近代医学でも診断や治療の難しい病気が数多くあります。そこで研究室では『病気や障害で苦しむ患者や家族に寄り添う研究』をコンセプトに、放射線科医やリハビリテーション科医らと研究プロジェクトを組んでCTやMRIなどの断層画像から身体の機能や調整に重要な役割を果たしている「生体内情報」を抽出・可視化して病気の診断や治療方針を決める最新の診断法を開発しています。
担当科目
- (学部)診療放射線学概論,X線診断機器学Ⅰ,X線診断機器学Ⅱ,医用画像機器学,放射線関係法規Ⅰ,放射線医学概論,X線診断機器学実験,
- (大学院)画像診断システム学特論,画像診断システム学特講,画像診断システム学特論演習,画像診断システム学特講演習
研究紹介
主として画像診断機器システムの画質向上,および医療被ばくの最適化について検討を行うため,臨床現場で使用されている画像診断機器(一般撮影用X線装置・X線CT装置・マンモグラフィ装置・歯科用X線装置など)の測定解析行う.特に乳癌検診に利用されているマンモグラフィに関しては乳癌の発見率向上をサポートする自動解析ツールの開発や画像解析方法の検討を行っている.また,線量の最適化を目的として医療被ばくの測定方法の開発などを行っている.さらに,X線診断機器の精度管理ツールとして半導体線量計の開発などを行っている.
医用画像情報学分野
担当科目
- (学部)保健医療概論、医用画像写真学、医用画像工学・同演習、医用画像情報学実験、実践臨床画像学実習など
- (大学院)医用画像情報学特論・同演習、医用画像情報学特講・同演習など
研究紹介
画像診断には、X線CTやMRIなど特殊検査機器の撮像操作のほか、X線撮影や超音波検査など、診療放射線技師自身の撮影・接遇スキルがより重要となる検査もあります。我々は、ICT(情報通信技術)などを医用画像情報学に取り入れ、撮像・接遇スキルといった放射線技術学の教育支援について研究しています。ICTのほか、XR(クロスリアリティ)、生成AI、NIRS(近赤外線分光法)、注視点計測などの研究環境、世界屈指の特殊なX線施設での高輝度放射光や3次元超音波CTが撮像可能なリング型超音波画像診断装置といった先端技術も取り組んでいます。
担当科目
- (学部)医用画像情報学、医用画像情報学演習、医用画像情報学実験、応用数学、放射線医学概論
- (大学院)医用画像情報学特論、医用画像情報学特論演習、医用画像情報学特講、医用画像情報学特講演習
研究紹介
画像診断技術の一手法であるトモシンセシスは、限局された投影角度から収集した投影データを再構成し、任意の断層画像を映像化する技術です。X線CT装置では任意の横断面の画像が得られますが、トモシンセシスは検出器に対して平行な断層画像を得ることができます。この技術は、現在、乳房撮影への応用が広く普及しており、それ以外にも整形外科領域、歯科領域などの分野で臨床応用されています。当研究室では主にトモシンセシスの画像再構成に関する医用画像のイメージングに関する基礎研究を行っております。
放射線診断物理学分野
担当科目
- (学部)磁気共鳴画像技術学、画像診断撮像技術学、X線撮影技術学Ⅱ、ペイシェントケア論、放射線医学概論、放射線看護学、X線撮影技術学実習Ⅰ・II、実践臨床画像学実習、画像診断臨床実習
- (大学院)放射線診断物理学特論、放射線診断物理学特論演習、放射線診断物理学特講、放射線診断物理学特講演習
研究紹介
MRIを使った画像診断技術の一つに「MRエラストグラフィ(MRE)」があります。MREは組織の硬さを画像として可視化する方法です。触診は医者が手で体の異常を感知する方法ですが、深部の硬さを数値で評価するのは困難です。一方、MREは深部の硬さを具体的な数値で評価でき、最近では肝MREが臨床で使用されています。沼野研究室ではMRE技術の研究を進めており、より精度の高いMREを実現するための技術開発や、大腰筋や腎臓などの肝臓以外の組織へ応用するためのシステム開発によってMRE適応範囲の拡張を行っています。
担当科目
- (学部)画像解剖学、画像解剖学学演習、画像診断学、生化学、放射線科学概論、X線撮影技術学実習、画像診断技術学実習、ペイシェントケア論、画像診断臨床実習など
- (大学院)放射線診断物理学特論、放射線診断物理学特論演習
研究紹介
医科学イメージングサイエンスを軸とし、積極的に異分野融合研究を取り入れることで診療画像のコントラストメカニズムの解明、生命科学現象との関連性を理解することを目指しています。また、生命システムの複雑な動態を「目で見て理解する」ための様々なイメージング・計測・解析技術の開発を行っております。物理現象⇄分子⇄細胞⇄前臨床⇄ヒトと、ひとつの課題を断片的な研究にせず、トランスレーショナルリサーチとして繋げていき、量子生命科学の真の理解と、最新医科学技術の開発を目指していきます。